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令和5年10月度 看護勉強会

 今月はリハビリ課主任のKさんを講師として関節可動域(ROM)と関節可動域訓練(ROMex)について学びを深めました。

 

 手を伸ばし、物を掴む、箸を上手に使いこなし、口に運ぶ。身体を起こす・捻る。ベッドから降りて立ち上がる動作や出勤のためにサクサク歩く動作全て、何気なく行っている事は、筋肉と関節と神経がいい塩梅で丁度よく調節されているのだと感じました。そのなかでも、関節は種類がありますが、全てが同じ動きをするなんて事はなく、関節にはそれぞれ【可動域】が決まっていて個性があるのだなと思うと急にかわいらしく思えてきました。

 

 例えば、蝶番関節は膝・肘関節についていますが、主に伸展・屈曲しか出来ないのです。それ以外はできないため、肩関節の動きを制限される上に、本来とは逆方向に動かされる腕挫十字固(うでひしぎじゅうじがため)が相当痛いという事が理解できます。可動域以外の動きをしようと試みると骨折や関節が外れるリスクが高い事から、骨が弱っている高齢者の方々の動きに注意しケアしなければならないのだなと改めて感じました。

 

 寝たきりになると身体が思うように動かせず、関節も同様に動かしていないと、固まってしまう現象が起こりますが、動かせる範囲や、動かせる可能性が低くなる事なのではないかと思います。全く動かしていなかった車のエンジンを急に掛けようとするとうまく掛からなかったり、バッテリーが上がってしまったりするように人間も同じで、急には動かせないのです。そのため、日常的に身体を動かし、関節可動域訓練(ROMex)を行って適度に慣らすアプローチが大事なのだと学びました。

 

 また、勉強会の中で最も驚いたのが、膝関節の伸展制限が-20°以上になると立位が困難になるという事でした。たったの-20°で?と思ってしまいました。ですが、小さな変化が身体に大きな影響を及ぼしているのは事実で、利用者さんに合った関節可動域の限界を知った上で訓練していく事が拘縮予防や体動制限の予防に繋がると感じました。また、褥瘡予防のため、と膝関節の下に安楽枕を良く入れていた事がありますが、関節屈曲位の保持をしすぎるのも良くないと感じ、褥瘡予防のための安楽枕の選定や継続する期間にも気をつけていきたいです。

 

 冬になるにつれて寒くて身体が縮こまりますので、食欲の秋・運動の秋と称される今の内に自分も利用者さんの身体も動かして、関節可動域を狭めないように関わってまいりたいと思いました。

 

 

<報告:看護師M・A>

 

2023年10月12日