シジュウカラの子育て日誌(長文です)

3月初め、日本が新型コロナウイルス感染症で騒ぎ始めた頃、自宅の庭に備え付けた巣箱にシジュウカラが営巣を始めました。

 

昨年はハクセキレイが営巣し、孵化したのですが、ゴールデンウィーク期間中の猛暑日に雛が巣の中で息絶えてしまったという、とても悲しい出来事がありました。

 

この悲劇を教訓に、子供たちと一緒に巣箱の側面にドリルで穴を開けて通気性を良くし、中の様子を随時観察出来るように、市販のファイバースコープを設置しました。

 

2月頃から、いくつかの種類の野鳥が巣箱の様子を見に来ていましたが、今回、縁あって巣作りを始めてくれたのがシジュウカラでした。3月初めごろから、何かをくわえて巣箱の中に入っていく姿が見られるようになりました。

 

 

3月22日、近所から集めた苔が敷き詰められつつありました。

 

 

4月13日、1週間ほど前から少しずつ産み落とされていた卵が、本日で全部で9個になっていました。

 

 

一仕事終えたメスが、巣箱から顔をひょっこり覗かせていました。お疲れさまでした!

 

 

4月23日、抱卵開始から10日。メスはこうして卵を大事に丁寧に温めています。

 

観察していて分かったのですが、抱卵は卵を全て産み終えてからなんですね。
孵化する時期がずれてしまうと個体差が大きくなり、餌やりが大変になってしまうからなんでしょうかね。
抱卵期間中はメスは巣から出ることはほとんどなく、オスがせっせとメスに餌を運んであげていました。

 

また、時折、オスと連れ立って外に出ていくことがありました。その際はオスが、巣箱の近くで独特な鳴き声で呼びかけるんですね。そうするとメスが反応して一緒に出ていく。こういった光景を何度か見かけました。少し調べてみるとシジュウカラには他の鳥類には無い優れた言語能力を有していることを知りました。確かに多様な鳴き声があり、オスの呼びかけに対し、巣箱の中のメスが様々な反応をしている様子が見てとれることがありました。実に興味深いですね。

 

メスは抱卵中、時々、卵をくちばしでひっくり返したり、卵の位置を入れ替えたりと均等に卵が温まるように工夫している様子が見て取れました。

 

また、抱卵する姿勢(位置)も一定ではなく、入口を向いたり、側面を向いたり、後面を向いて温めたりという姿が見られ、これも卵の温めにムラが出ないように工夫しているのだと思いました。本能的な行動なのかもしれませんが、実に合理的かつ細かな配慮が行き届いているなぁと感心しきりでした。こうした合理性や細やかな配慮は仕事やプライベートにおいても大切なことであり、私も見習わなければと、感じ入りました。

 

 

4月26日、無事に雛がかえりました!!翌日には全ての雛がかえっていました。

 

この時期の餌やりはオスとメスが巣の中で大きな餌を共同作業で小さくちぎり分けて、雛が食べやすいように配慮している様子が見られました。また、孵化してしばらくはメスは夜間も雛を抱いて眠っていました(雛が凍えないようにでしょうね。羽毛が生えて、ある程度、大きくなってからはメスも夜は巣箱に戻らなくなりました)。

 

 

5月3日、孵化から8日目の元気一杯な雛たち。目は開いていませんが、親鳥の鳴き声に反応し、けたたましく鳴いています。

 

 

朝から晩まで、ほとんど休む間もなく、オスとメスが交互に餌を運んでいます。見ていると2~3分に一回は餌を運んできているようです。とすると、1時間に20~30回、半日活動しているとして、1日に最低でも240回~360回は巣箱を往復していることになりますね(これだけの餌を見つけて捕獲するのは相当大変でしょうね)。子育て中の親は人間と同様に野鳥も大変ですね。

 

でも、親鳥にとっては大変という意識は無いのかもしれませんね。自然の摂理に従って、至極当然の営みを粛々と行っているという感じなのかもしれません。

 

 

巣箱から何かをくわえて飛び立つ親鳥。実はこれ、雛のフン(排泄物)なのです。写真には載せていませんが、餌をもらった雛はすかさずお尻を親鳥の方に突き出し、フンをするのです。そのフンを親鳥が口にくわえて巣の外に運び出しているのです。しかも、巣箱から遠く離れた場所に運んでいるため、巣箱内はもちろん、巣箱の周辺も清潔に保たれています。衛生管理と外敵に気付かれないためのリスク管理が徹底されています。実に感心します。

 

 

5月9日、目も開き、だいぶ羽毛が生えそろってきて、鳥らしくなってきました。

 

 

5月12日、すっかり羽毛が生えそろい、巣の中で羽ばたきの練習をしている様子がしきりに見られるようになってきました。巣立ちももうすぐかもしれません。

 

 

5月14日午前。気が付くと、巣箱は空になっていました。きっと早朝に巣立ったのだと思われます。私も家人も誰一人、雛が巣立っていった姿を目撃出来ませんでした。少し残念でしたが、全員、無事に巣立ってくれたことが何より嬉しい出来事でした。

 

それにしても、シジュウカラの成長スピードは目覚ましいものがありますね。孵化してわずか3週間ほどで立派に成長し、飛び立っていくのですから(しかも1羽の脱落者もなく)。

 

緊急事態宣言前から外出を自粛していましたが、このシジュウカラの親子はステイホーム期間中の我が家の子供たちの気晴らしにも貢献してくれました。そして、シジュウカラの子育ての様子を見ていて、我が家の子供や仕事への向き合い方についても様々に考えさせられました。

 

※ちなみに巣立った後の巣は見事に清潔でした(フンが一つも落ちていないし、臭いもほとんどなかったです)。また、巣は底から7~8cm程度の厚さがあり、その厚みはほとんどが苔で構成され、その上に獣毛が敷き詰められていました。これも実によく考えられていますね。苔でクッション性と通気性を保ち、獣毛で保温性を補っている構造なんですね。親鳥の雛への深い愛情が感じられます。

 

 

<れん>

 

 

2020年5月14日